2025.12.10 NEW お知らせ 活動報告
2025年度 AED功労賞 受賞者発表
厳正な選考の結果、最優秀賞、優秀賞、特別賞を選出し、表彰いたしました。
【最優秀賞】
おもちゃAED開発・販売 (AEDを楽しく知る人を増やしたい)
株式会社 坂野電機工業所 坂野 恭介 様
AED・CPR を学ぶ前に、お医者さんごっこのようにAEDで遊び興味を持つ事から始めてほしい。その経験が学びたいという気持ちに変わり自ら心肺蘇生法の講習に行くきっかけになってほしい。興味から学びへの橋づくりをしたい。その思いでおもちゃのAED(トイこころ)を製造し、2024年11月に販売を実施しました。1,000 個限定で販売したトイこころは一週間で完売し、子供がいる親御さん・医療従事者・医療ケア児の親御さん・CPRの活動をされている方・海外に住まれている方(アメリカ・ドイツ・マレーシア)などのもとに届けることができました。また幼稚園へのプレゼント企画も実施し、北海道から沖縄まで約60園にお渡しする事ができました。現在では全国のイベントに貸出をしており、おもちゃAEDでAEDを知ってもらう機会を提供しています。購入していただいた方からは「大人も楽しみながら学ぶことができます」「子供が AED を身近に感じるには非常に良い」「遊んだ後に AED の理解を深めることができました】【保健室に来た子供たちに大人気です】などうれしいコメントをたくさんいただいております。再販も実施する予定で、AEDを楽しく知る子供達をもっと増やしていきたいと思っております。
■表彰内容
おもちゃのAED(トイこころ)は、1000個限定で販売したところ1週間で完売し、海外にも広く届けられるなどは、話題性からみて目を見張るインパクトがある。さらに、様々なイベントに貸し出す、幼稚園に贈るなど活動の継続性もすばらしい。その効果は、実際に子供たちがノリノリで遊んでいるだけでなく、見守る親への副次的教育効果も見逃せない。審査のプロセスを通じて、今後、AEDそのものの普及だけでなく、AEDのおもちゃや、AEDトレーナーなどの開発普及の重要性も示唆された。
【優秀賞】
名古屋で1番名古屋を推すビジュアル系バンドがファンや地域とともに展開する救命力向上プロジェクト
麗麗 -reirei- 様
麗麗-reirei-は名古屋拠点のご当地ビジュアル系バンドとして、音楽をはじめとしたエンターテインメントの力を使って地元を盛り上げるべく活動を続けており、その一環として2022年から救命分野の取組みを開始した。ライブハウスでの音楽公演内に心肺蘇生トレーニングを取り入れるなど、これまで救命分野に興味がなかった・触れることがなかった層の行動変容を強く引き起こし、『心肺蘇生トレーニングを含むライブ公演やステージイベント、麗麗が制作した映像を用いた心肺蘇生法練習等に参加した人は3年間で約800人となった。』『アプリ『救命サポーター team ASUKA』を用いたAED登録イベントをファン層中心に開催したところ、愛知県内1,393台・全国5,309台のAED登録が期間内でなされる結果となった。』『本企画内で心肺蘇生トレーニングを受けたファンによる実傷病者への介入がこれまで3件報告されたほか、麗麗メンバーもこれまでに2件の実傷病者への介入を行った。』などの成果を得ることができた。
現在も、地域のAED設置空白地帯の存在をかんがみたライブハウスへのAED設置企画や、ライブハウスにおける傷病者発生を想定した『RED MEMBER』制度の開始などを計画しており、今後地域社会の救命率向上に向けてアクションを続けていく。
■表彰内容
ライブハウスでの、公演やステージにおいて心肺蘇生を取り入れ、こうした活動に関心がなかった人々の行動変容を引き起こした。また、イベントを通じてAED登録の推進など広く貴重な活動を展開している。めげることなく継続して応募を続け、受賞当日は、このフォーラムのために早朝より特殊メイクしてきた。会場では、なぜ、あのような格好の人たちが会場にいるのだろうという、ささやき声にもめげず、バンドメンバーたちが胸をはって、高円宮妃久子殿下より賞状を授与され爽風をもたらした。
【特別賞】
「AEDをミキサー車全70台に搭載した「走るAED」活動と、従業員50余名の個人宅にAEDを貸与することによる地域救命体制の構築
河島コンクリート工業株式会社 様
このたび、河島コンクリート工業株式会社ではAEDを127台導入し、社内で保有、稼働するミキサー車70台すべてにAEDを搭載し、生コンクリートを運ぶ際、街中で発生する万が一の事象に対応できるよう「走るAED」として配備、運用します。生コンクリートを運ぶミキサー車は、品質管理の規定(JIS)により約1時間以内で届く範囲を往復するため、地元地域を網羅するように日々走行しています。この運輸性質を生かし、微力ながら地域の救命体制強化に寄与して参りたいと考えております。(約70台)
当初、2月頃よりミキサー車への搭載を決めていたのですが、5月上旬に実際に工場敷地内で社員が心筋梗塞による心室細動で倒れました。社内に設置していた1台のAEDを用いて約3分以内に心拍が戻り、幸い後遺症等無く回復しております。この出来事があり、社員家庭への設置も決め、現在に至っております。板橋区との設置場所共有の連携なども含めて、現在進行中です。
また、従業員一人ひとりにAEDを個人用として福利厚生の一環で貸与し、自宅での管理をお願いすることで、家庭内での突然の心停止に備えることに加え、地域における安心、安全にもつながるよう努めてまいります。
■表彰内容
特別賞は、たとえ限られた範囲や規模であっても、「光る」みるべき内容を含む取り組みを取り上げるために新設されたものである。
コンクリートミキサー車は、地元地域を網羅するように日々走行しており、地域救命体制の一翼を担う役割を果たしている。さらに、これを担う社員の健康を守るところまで展開して、実際、救命事例もある。こうした活動は、車というツールが、走る凶器や走る棺桶ではなく、「走る安全装置」であるという、車に対する近年のコンセプトと呼応するものである。このような特別な事例に限らず、すべての車にAEDが標準装備され、ドライバーや周囲の人を守り、車の定期点検ではAEDバッテリーの点検も行われるような世の中になることが実際、望まれる。





