歴史
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AEDが一般解禁されるまで
- 2000年8月三田村秀雄慶應義塾大学心臓病先進治療学教授(現当財団理事長)が同講座主催(後援:公益財団法人日本心臓財団、サントリー株式会社)の市民公開講座「突然死を救えるか」を東京国際フォーラムで開催、米国で使われ出したAEDを紹介
- 2001年3月日本循環器学会内にAED検討委員会設立(委員長:三田村)
- 2001年12月客室乗務員による緊急時AED使用の適法性を問う定期航空協会の疑義照会に対し、厚生労働省が適法であると回答
- 2002年10月01日一般市民によるAED使用の法的問題を東京大学法学部樋口範雄教授の下で三田村らが協議し雑誌に発表 ジュリスト1231号 p104~134
- 2002年11月「日本における非医師へのAED導入実施に向けた検討報告」を日本循環器学会AED検討委員会が学会誌に公表 Circulation Journal第66巻 p1419~1435
高円宮殿下が運動中に心停止を起こし慶大病院に搬送されるも蘇生かなわず薨去 - 2002年12月学会が坂口力厚労大臣宛に一般解禁を求める提言書を提出
- 2003年6月AEDの市民使用に関する構造改革特区提案を三田村と兵庫県の川村剛史医師と連名で内閣官房に提出
三田村が一般向け解説書「心臓突然死は救える」(三省堂)を発刊し、救命にAEDの活用が重要であることを広く啓発 - 2003年8月厚労省が医師以外によるAED使用を、講習受講などの条件を満たせば適法との解釈を示し、翌年全国的に実施すると回答
- 2003年9月東京国際フォーラムで日本心臓病学会と読売新聞社主催の市民公開講座「突然死は救える」に1,100名の市民が参加
- 2003年11月日本救急医学会理事長を長とするあり方検討委員会開催翌年5月まで計4回の開催で、一般市民においては講習を推奨レベルとし、AED使用に伴う刑事上、民事上の責任は問わないことを確認
- 2004年4月米国心臓協会編集(岡田、三田村訳)「実践AEDマニュアル」を中山書店から発刊
- 2004年7月厚労省医政局長から都道府県知事宛にAED一般解禁の通達
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AEDの一般解禁後、財団が設立されるまで
- 2005年病院外心停止救急搬送例の全国集計(ウツタイン分類)開始
- 2005年2月泉州マラソンで70歳男性がAEDによる救命第1号に
- 2008年8月NPO法人大阪ライフサポート協会中心に一般向けの蘇生法PUSHプロジェクト(代表:石見拓 現当財団専務理事)が創設され、全国に展開
慈恵会医科大学武田聡(現当財団常務理事)らもNPO法人愛宕救急医療研究会を発足させ、プロジェクトを推進 - 2008年11月日本におけるAEDの急速展開を三田村が海外に向けて紹介
「Public access defibrillation:advances from Japan」
Nature Clinical Practice CV Med 第5巻 p690~692 - 2009年6月日本循環器学会AED検討委員会がAEDを取り入れた蘇生法を「CALL&PUSH」の愛称で推進
- 2010年4月日本心臓財団の支援でACジャパンが広告作品「AEDは話します」を採択し、新聞・ポスターなどに展開
- 2012年4月日本循環器学会AED検討委員会が「AEDの具体的設置・配置基準に関する提言」を発表
雑誌「心臓」第44巻 p391~402" - 2012年9月「体育活動時等事故対応テキスト:ASUKAモデル」をさいたま市教育委員会(委員長」桐淵博 現当財団理事、監修:三田村、石見ら)が発刊
三田村が「AEDの積極的使用を促す緊急提言」を日本不整脈学会から公表 - 2012年12月"日本循環器学会の石見、三田村、田中(現当財団理事)ら蘇生科学委員会による現場のAED使用例に対する胸骨圧迫のみの実施と従来法を比較した英文論文発表
Criculation第126巻 p2844~2851" - 2014年4月解禁10周年を機に、当財団の前身となる任意団体「減らせ突然死」実行委員会を設立し、「減らせ突然死プロジェクト」を開始。
実行委員長:三田村、プロジェクト代表:石見 - 2014年7月学校での救命講習に「ASUKAモデル」導入
- 2015年1月「減らせ突然死」プロジェクトから小学校安全教育副読本「命を守心肺蘇生・AED」を発刊
- 2015年3月日本循環器学会から「学校における心臓突然死をゼロに」発表
心臓 第47巻 p396~400
Circulation Journal 第79巻 p1398 ~1401 - 2015年8月「減らせ突然死」から一般財団への発展と目指し準備開始
- 2015年10月「減らせ突然死」が現場付近に居合わせた受信用アプリ「AED GO」を開発し、それをインストールしたスマホを持つ登録者に対して、119番通報を受けた消防指令が現場の位置情報を緊急通知することによって、付近のAEDをとって駆けつけられるシステムの実証実験を愛知県尾張旭市で開始
- 2016年1月日本AED財団設立発起人会を開催
- 2016年2月「減らせ突然死」と日本循環器学会からサスペンスドラマ仕立てのe-learning「心止村湯けむり事件簿」を制作公開
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日本AED財団設立の必然性と、設立後の主な活動
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AEDの普及啓発を推進するには、心臓突然死の病態を理解し、心室細動や電気的除細動に造詣の深い循環専門医や、救急救命の手順を素人の市民にわかりやすく指導できる救急医の存在が欠かせない。しかし国民に広く協力を促し、効果を上げるためには、学校教育やスポーツ、あるいはITやメディアなど様々な専門家の知恵も必要となる。さらには乗り物や建物、その他各種業界団体への要請や、省庁をまたがる行政との連携も重要となる。そのような国家レベルの活動を進めるために、広く人材を求めて日本AED財団が組織設立された。
- 2016年7月日本AED財団の第1回評議委員会開催(委員長:張富士夫)
一般財団法人として登記
会長:古川貞二郎、副会長:佐藤禎一、理事長:三田村秀雄 - 2016年10月京大北村哲久、石見拓らによる国内のAED成果分析結果「Pubilc-Access Defibrillation and Out-of-Hospital Cardiac Arrest in Japan」を国際誌に発表
New England Journal of Medicine 第375巻 p1649~1659 - 2016年11月第1回AED推進フォーラムを国際貿易センタービル会議場で開催
- 2017年4月高円宮妃殿下、名誉総裁に就任
- 2017年11月高円宮妃殿下のご臨席を賜り、第2回AED推進フォーラムを開催
- 2018年2月埼玉県さいたま市において第1回スクール部会フォーラム開催
- 2018年3月静岡県袋井市の総合運動公園でドローンを利用したAEDの搬送実験を実施
- 2018年4月財団と循環器学会の共同提言「スポーツ現場における心臓突然死をゼロに」を公表し、日本スポーツ協会で記者会見
- 2018年7月財団後援、経産省主催でAED記号のJIS化に関する会議開催
- 2018年8月喜熨斗(現当財団実行委員)、田中らが、日本で実績を上げているマラソン中のAED救命体制を海外に向けて発表
New England Journal of Medicine 第379巻 p488~489 - 2018年11月高円宮妃殿下のご臨席を賜り、第3回AED推進フォーラムを開催
- 2019年1月みんなで作るAEDマップ:AED N@VIの登録開始
- 2019年2月茨城県つくば市において第2回スクール部会フォーラム開催
- 2019年8月経産省からJIS規格のAEDマークを公表
- 2019年12月学校における緊急時行動指針Emergency Action Planを公表
高円宮妃殿下のご臨席を賜り、第4回AED推進フォーラムを開催
公益財団法人に認定 - 2020年2月大阪府吹田市において第3回スクール部会フォーラム開催
- 2020年4月コロナ禍を受け、AED救命講習をオンラインで開始
- 2020年9月スポーツ現場におけるEmergency Action Planを公表
- 2020年10月日本宝くじ協会の助成を得て成人向け教本「命を守る心肺蘇生・AED」を製作、配布開始(2021年2月配布完了)
- 2020年12月高円宮妃殿下からのビデオメッセージを賜り、第5回AED推進フォーラムをDVDと雑誌で公開
- 2021年3月小児用電極パッドの呼称問題に関する検討会議を厚労省の指導を得て通内で開催
- 2021年7月「緊急メッセージ:子どもに使うAED電極パッドの選択に注意!」発出
- 2021年12月高円宮妃殿下のご臨席を賜り、第6回AED推進フォーラムを開催
- 2022年2月「緊急メッセージ:コロナ禍でAEDの使用率と救命率が低下」発出
- 2022年7月「緊急メッセージ:安倍元総理銃撃事件に関わるAED使用について」発出
- 2022年9月 「救命サポーター team ASUKA」プロジェクト開始、同時に支援アプリを公開
- 2022年10月千葉県千葉市において第4回スクールフォーラム開催
- 2022年12月高円宮妃殿下のご臨席を賜り、第7回AED推進フォーラムを開催
- 2023年2月埼玉県川越市において第5回スクールフォーラム開催
- 2023年12月高円宮妃殿下のご臨席を賜り、第8回AED推進フォーラムを開催
- 2016年7月日本AED財団の第1回評議委員会開催(委員長:張富士夫)