ご挨拶
会長古川貞二郎
元内閣官房副長官・元厚生事務次官
人の命が医者によってだけでなく、現場に居合わせた市民によって救える時代がやってきました。
AEDという素人でも使える救命機器が開発されたおかげです。しかしそれを現場の人がとっさに使えるか、
となると、これは医学の域を超え、個人の善意や勇気、技能に関わってきます。
市民による救命を実現するには個人の力を発揮できる環境を整えることが不可欠です。
そこで我々は官民が一体となって様々な叡智を結集し、AEDを活用できる救命体制をAll Japanで築きたいと考え、日本AED財団を設立しました。一人でも多くの貴重な命を救うために、皆様のご協力をお願い致します。
副会長佐藤禎一
元文部事務次官
一昔前は近所の人同士が助け合って生活を営む相互扶助という仕組みが世の中にありました。
最近では近所づきあいが希薄になりつつありますが、それでも、いざというときには胸が騒ぐものです。
AEDによる救命はまさにそんな相互扶助の極地と言えるかもしれません。人のことを思い、人のために
一肌脱ぐ、それができるか否かは、幼い頃からの両親のしつけ、学校での学び、そして社会での経験によって左右されます。
こうして育った若者がいつか救命に手を貸すことがあるかもしれません。
そんな相互扶助が具現できる国ニッポンを日本AED財団は目指します。
理事長三田村秀雄
日本のAED分布密度は世界一と言われます。
そのAEDによって心停止目撃例の2人に1人は救えることが実証されています。それも医療のプロに
よってではなく、素人の市民の手によるものです。工夫をすればもっと多くの救える命を救えるに違いありません。
それには、AEDの戦略的配置を進め、設置場所の周知や搬送法を工夫改善することが効果的です。
さらに重要なのはAEDを活用した救命法の周知習得を促し、その普及に向けて国民全体の理解と協力を得る
ことです。
その過程では学校、メディア、インターネットなどを活用した市民教育の展開がカギになります。
AEDを市民が使用できるようになって10年目に立ち上げた「減らせ突然死プロジェクト」で得られた実績、
経験を基に、心臓突然死をさらに減らすためにその発展形としての「日本AED財団」を新たに設立し、活動していくことにしました。
医療、教育、スポーツほか各界から幅広く人材を求め、コラボ体制を充実させました。
本活動によって突然の心停止からの救命が当たり前の世の中となり、健康で安心安全の国ニッポンを世界に
アピールできるものと期待しています。