2024.11.27 NEW お知らせ 活動報告
2024年度 AED功労賞 受賞者発表
厳正な選考の結果、最優秀賞1件、優秀賞2件を選出し、表彰いたしました。
【最優秀賞】
AEDの有効活用に向けた戦略的救急施策~救命率向上をめざして~
堺市消防局 様
堺市消防局では、管内に設置されている AED の設置情報を消防局に登録いただき、AED を必要とする事態が生じた際には近くの AED をいち早く傷病者のもとに届ける仕組み「まちかど救急ステーション事業」を令和元年 10 月から実施している。登録された AED(以下「まちかど AED」)の設置情報は、消防局のホームページや Google マップのマイマップ機能で公開するほか、消防局の指令管制システム(地図)に登録し 119 番通報受信時に指令管制員が通報者に AED 設置場所を情報提供している。また、可能な範囲で登録事業所に電話連絡しAEDの貸出準備や搬送などの協力を依頼することもあり、まちかど AED を活用できる体制を整備している。本取組の効果として、「まちかど AED」を活用し社会復帰した12 例を奏功事例として報道提供している。この 12 例の内 7 例は、AED設置施設以外で発生した心肺停止傷病者に対して、バイスタンダーがAEDを取りに行き届けた又はAED設置施設の職員等がAEDを搬送し届けたことにより、救急車が到着する前に電気ショックが実施され救命されたものであり、本取組が理想的な効果を上げているものと考える。
■表彰内容
全国に類をみない素晴らしい取り組みです。消防だけでなく、自治体行政や市民を巻き込んでネットワークを築き、推進し、実績をあげている点は見習いたい。また検証もしっかり行われています。実際に救命実績に繋げており、他の自治体や消防の模範となる意味でも高く評価できました。
【優秀賞】
ドラッグストア店舗における AED の設置と お客さまや地域の方々の救命処置への取り組み
ウエルシアホールディングス株式会社 様
ウエルシアグループでは、2013年以来 AED を店舗に設置開始し、現在2,500以上のグループのドラッグストアの店舗において設置しています。地域の健康を支える存在を目指すとともに、多様性を重要な企業文化としていることから、地域の皆さまが、ご健康の状態に関わらず安心してお買い物をしていただけるよう環境を整備する目的でこれまで AED を設置してきました。お客さまや近隣にお住まいの皆さまが、万一突然の心肺停止の状態に見舞われた際に救命処置がなされる環境を整備するとともに、社員に対しても AED の講習を実施し、不測の事態に備えています。これまでに、毎年店舗や店舗付近において AED を使用するに至り、複数の方々の救命につながりました。
■表彰内容
一企業が、10年以上にわたり、2500を超える店舗にAEDを設置し、また社員への講習を推進してきたことが評価できます。しかも関連薬局店舗で年間10〜20件程度の使用実績をあげ、その一部が現実に救命に繋げられたことは素晴らしい。また子どもたちへの講習にも取り組むなど社会貢献に熱心な企業と認められます。
【優秀賞】
“いのちを紡ぐまちづくり” 奄美大島龍郷町の取り組み- 『学校 BLS 教育』と『3 つの“でも”の AED』-
大島地区消防組合龍郷消防分署 様
心臓突然死を減らすため、「School」と「Social movements」の 2 つの柱に焦点を当てた地域独自の取り組みを実施しています。「School」では『学校 BLS 教育』を推進しています。小学校 1 年生から中学校 3 年生まで、段階的に心肺蘇生法(Basic Life Support, BLS)のスキルを身につけるプログラムを構築しています。このプログラムには、単に心肺蘇生のスキルだけでなく、命の尊さや相互扶助といった「心の教育」も含まれています。「Social movements」では、地域企業と協力し 3 つの“でも” -『いつでも・どこでも・だれでも』使用できる AED 設置の取り組みを進めています。屋外に AED を設置することで、24 時間 365 日いつでも持ち出せる体制を整備(いつでも)、沿岸部や山間部の観光施設にも設置(どこでも)、許可不要で施設外への持ち出しを可能にする体制(だれでも)を整えました。ほとんどの AED 設置場所が海岸から 300m 以内の塩害地域にあり、強い日差しで AED ボックス内の温度が約 80℃に達するなど、奄美大島特有の過酷な環境を克服するために、温度管理機能、耐塩害・耐腐食性能、防犯機能を備えた屋外設置型 AED 収納ボックスを開発しました。
■表彰内容
小学校1年生から段階的に工夫しながら教育に力を注いでいる点、また高温環境でもAED設置を可能にするボックスの開発など、他ではみられない努力をしている点が評価できます。また地域に根ざした活動を継続されており、また島ごとの救命活動を展開されているところなど、高く評価できました。