救命処置をした後に
バイスタンダーとは
バイスタンダーとは、たまたま救命処置が必要な現場に居合わせた人のことを指します。街中で急病人やけが人が発生した場面では、バイスタンダーの協力が欠かせません。公共の場所で、突然目の前で人が倒れたとき、家の中で家族が倒れたときには、あなたがバイスタンダーになります。
誰もが、ある日、突然、バイスタンダーになるのです。
バイスタンダーが市民救助者として胸骨圧迫とAEDを用いた電気ショックを行うことで、突然の心停止からの救命の大きな力になります。
バイスタンダーの重要性
119番通報から救急隊が現場に到着するまでには平均10分かかります。何もしないでいると心停止から1分経過するごとに生存率は約10%ずつ低下します。救急隊の到着を待っているだけでは、救命の可能性がなくなってしまうため、現場に居合わせたバイスタンダーによる救命処置が大切になります。
実際に救命処置を行う以外にも救命の現場でバイスタンダーができることはいくつかあります。119番通報を行うこと、近くにあるAEDを取りに行くことや救急車を誘導することなど、できる範囲で協力していただきたいと思います。
バイスタンダーに起こりうる心理的な負担
救命活動時やその後にバイスタンダーが心理的負担を感じることがあります。
「自分の行動ややり方が正しかったのか自信が持てない」「傷病者が助かったのか分からず、ずっと不安」など悩んだり、自分を責めてしまう人もいます。

また、救命処置をした人だけでなく、目撃しただけでも心身に不調を感じるケースもあります。
こうした症状の大半は時間の経過とともに薄れていくことが分かっており、すべてのバイスタンダーにストレス症状が現れるわけではありません。
普段の生活にも支障を感じるときには、できるだけ早めに専門の相談窓口に相談することが良いと言われています。例えば、下記の相談窓口があります。
バイスタンダーをサポートする取り組み
1.消防機関の窓口
近年、バイスタンダーサポートに取り組む消防本部が増えています。救命現場で救命処置を実施したバイスタンダーに、感謝のメッセージと窓口の連絡先が記載されたカードを配布している自治体もあります(救命活動を優先し配布できないケースもあります)。
管轄の消防機関にサポート制度があれば相談してみましょう。
2.各自治体の心の窓口
お住まいの自治体に心の悩みを相談することができる窓口がある場合がありますので、自治体の窓口を活用することも一つの方策です。
3.日本臨床救急医学会
日本臨床救急医学会バイスタンダー体制検討委員会では、救命処置に関わったすべての市民(バイスタンダー)に何らかの心的ストレスが生じる可能性があることを社会に周知し、バイスタンダーの心的ストレス反応等をサポートするための提言を公表しています。
▶ バイスタンダーの心的ストレス反応等をサポートする体制構築に係る提言(2025)
4.NPOなど
i. NPO法人ちば救命・AED普及研究会(千葉PUSH)
バイスタンダーに起こりうる心理的ストレスとその対処に関する啓発動画とパンフレット 「救助を手伝ってくれたあなたへ」を公開しています。
救命処置を行ううえで知っておくとよいこと、ストレス症状、自分でできる解決策、 バイスタンダーの体験談、周りの家族、救命指導者向けのガイドなどが紹介されています。
ii. NPO法人AQUA kids safety project
救命現場という非日常を経験した不安や悩みを、バイスタンダーを経験した専門カウンセラーがオンラインでサポートしています。全国どこからでも申し込み可能で、カウンセラーと1対1でのオンライン相談が60分間受けられます。
iii. 日本ファーストエイドソサイエティ
最後に
突然の心停止はいつ、どこで、誰に起きるか予測が難しく、誰もがバイスタンダーになりえます。倒れた方の命を救い社会復帰を叶えるためには、その場に居合わせたバイスタンダーによる救命処置が必要不可欠です。
そして、より多くの人が安心して救命処置に関われるようになるためには、その心理的負担に対するケアとサポートが大切であり、その体制は広まりつつあります。
必要に応じて相談機関を活用いただくとともに、こうした情報の発信にもご協力いただけますと幸いです。





