ご挨拶
会長岡本保
元総務事務次官・元消防庁長官
毎年8万人近い方が、病院の外で、心臓が原因の心停止に陥っています。救急車がきてくれるまでの8~9分の間に何も対応しないと、脳や臓器に重い障害を受け多くの命が救えなくなってしまいます。
しかし、目の前で突然心臓が止まって倒れた人にAEDを使えば半数以上の方を救えます。
私たちの少しの知識と勇気で大切な命を救うことができるのです。
心停止はいつ、どこで、誰に起こるかわかりません。AED財団は、誰もが必要なとき一歩踏み出して、倒れた人に声をかけAEDを使えるような救命の輪がつながる社会を目指し、AEDの重要性の理解、教育・講習、情報共有などの環境整備を進めていきたいと考えています。
皆様のご支援をよろしくお願い致します。
理事長三田村秀雄
一瞬の間に人の命とその人生を奪ってしまう心臓突然死。
不整脈を専門にしていた自分が、不整脈による突然死を救う方法としてAEDの優れた可能性に着目したのは2000年のことでした。そこから当時医療関係者しか使えなかったAEDを一般の人でも使えるように働きかけ、実現したのがAED元年とも呼べる2004年です。その後、日本は世界でも有数のAED設置国に成長しましたが、残念ながらまだ、その素晴らしい威力を存分に発揮できているとはいえません。AEDを活用できる社会環境が整えば、救える命はもっとあるはずなのです。
AEDが必要な場所にあり、そこにあることを誰もが知っていて、それを誰もが使おうと思える世の中を目指したい。そのためには医者だけが議論するのではなく、教育、スポーツ、行政、メディアなど広範な分野にわたって同志を求め、多様な救命場面でAEDの利活用を促す具体策を講じていく必要がある。
そうした思いから、AED一般解禁10周年目の2014年に任意団体「減らせ、突然死」運営委員会を立ち上げ、さらにそれを発展させて2016年、日本で唯一のAED推進に特化した法人組織として、一般社団法人日本AED財団を設立しました。その後、2017年には高円宮妃殿下を名誉総裁にお迎えし、2019年には公益財団法人としての認可を得ることができました。
日本AED財団はAEDを活用した救命の「仕組み作り、仕掛け作り」をミッションととらえています。それを具現化し発展させるために、これからも皆様のご理解、ご協力、ご支援をいただきながら、国民の安全、安心に寄与すべく全力を注いで参りますので、よろしくお願い申し上げます。